『名雪!急げ!遅刻するぞ!』
その日の朝も俺は名雪と一緒に学校への道を走っていた。
「あっ!」
名雪が突然走るのをやめ立ち止まる。
『おい名雪!なにしてんだ!遅れるぞ!』
「祐一...ネコさん...」
名雪の奴は民家の塀の上に寝ているネコを嬉しそうに見つめている。
『そんなことより学校に行かないと遅刻するぞ!!』
「ちょっとだけだから...」
俺の言葉にそう返事をして名雪はネコのほうへ歩いて行く。
『ばか!そんなことしてるヒマなんかないぞ!!大体お前は猫アレルギーだろうが!!』
俺は名雪の肩を掴んで名雪を連れて行こうとする。
「やだー、一回だけでいいからネコさん撫でるのー!」
名雪の奴がダダをこねる。
『駄目だ!!さあ行くぞ!!』
「やだー!ねこーねこーっ!」
名雪の奴が暴れる。
『駄目だっ!?』
名雪が暴れたせいで俺の体が後ろに突き飛ばされた。
ガツッ...。
『ぐあっ...』
俺は後ろの電柱に後頭部をぶつけてしまった。
頭が痛い...。俺は手で頭を摩る。
なんだかぬるぬるする...。
手を目の前に持ってきて手のひらを見ると血が付いていた。
『血...』
「あ...」
名雪の顔が青ざめる。
「ご、ごめんね!大丈夫!?」
名雪が慌てて俺に声をかけてくる。
『.........』
俺はその場を立って名雪に背を向け学校に歩いて行く。
「祐一!」
名雪が慌てて俺の側に走ってくる。
「ごめんね、祐一...でもわざとじゃないんだよ...」
『.........』
「...祐一...怒ってるの?」
当たり前だ。
「本当にごめんね...」
俺は名雪を無視して学校への道を急ぐ。
「...祐一。せめて血を止めないと...」
そう言ってハンカチを差し出してきた。
パシィッ!
俺はその手を払いのけるとそのまま走っていく。
「祐一...ごめんなさい...」
名雪がなにか言っている。よく聞こえないし、聞きたくもない。
学校に着いてからその日1日ずっと名雪を俺は無視し続けた...。

学校に着いてからも俺は名雪と目を合わさないようにしていた。
北川や香里が俺達の様子を見て心配していたみたいだが俺は名雪を許す気になれなかった。
休み時間のたびに名雪は俺に謝ろうとするが、俺はあいつの顔を見ようともせず名雪を避け
続けた。
...そして授業が終わり、俺はさっさと帰り支度をして下校した...。

しばらく家に向かって歩いていると名雪の奴が駆け寄ってきた。
「祐一...待って...」
『.........』
俺は名雪を無視してどんどん歩いて行く。
「待って!」
名雪が俺の腕を掴む。
『...放せよ』
俺は名雪を見ようともせずに突き放す。
「...ぐすっ...ごめん...なさい...」
名雪が泣き出した。
俺はそのまま立ち止まる。
「ごめんなさい...ひっく...なんでも...するから...許して...ぐすっ...」
『...なんでも?』
俺は名雪のほうを見る。
名雪の奴は涙をぽろぽろ流して泣いている。
こぼれ落ちた涙が足元の雪に落ちて消えていく...。
...泣いている名雪を見て俺の中にある感情が芽生えた...。
『...なんでも...いう事を聞くのか?』
「ぐす...うん...」
『なら許してやる』
俺は名雪を見つめてそう答えた。
「ほんと?」
『ああ...許してやる...だから先に家に帰ってろ...』
「うん...わかった...」
名雪が俺の腕を放した。
「祐一...本当にごめんね...」
『もういい...俺は用事があるから少し遅くなる...』
「うん...」
俺は名雪と別れて商店街に向かった...。

商店街の雑貨屋で買い物を済ませてから家に向かって歩く。
辺りはすっかり暗くなっている。
やがて家に着き、ドアを開けると玄関に秋子さんがいた。
『あれ?秋子さん、どこかへ出かけるんですか?』
「ええ、急に仕事が入ったので」
『そうなんですか。大変ですね』
「今日は帰れないと思います。夕飯は作ってありますから」
『わかりました。お仕事がんばってください』
秋子さんはいつもの微笑みで俺に言う。
「名雪と真琴の事、お願いしますね」
そう言ってドアを開け出ていく。
『いってらっしゃい』

秋子さんが出かけた後、俺はリビングに行った。
テーブルの上にはラップをかけられた夕飯が用意されている。
『名雪と真琴はもう食ったのか...』
流し台に名雪と真琴の食器が置いてあるのを見て独り言を呟く。
俺は自分の茶碗にごはんをよそって食事を取った。
食事を取ったあと、名雪が俺に声をかけてきた。
「祐一、帰ってたんだね」
『ああ...』
名雪はもうすでにパジャマを着ている。
『風呂、涌いてるのか?』
「うん、さっきわたしが入ったばかりだから」
『そうか。俺も入るとするか...』
そう言って俺はイスから立ち上がる。
『名雪』
「なに?祐一」
『風呂からあがったら話がある』
「え?」
『俺が行くまで起きてろよ』
名雪にそう言い、俺は風呂に入りに行った。

部屋から持ってきた着替えを脱衣かごにいれ、着ていた服を脱いで洗濯機に入れ
風呂場に入る。
体を流してから湯船に浸かる。
『ふう...』
湯船の中で俺はこれからの事を考える。
『ククク、ふたりだけの夜か...』
まあ、真琴もいるがあいつはどうでもいい。
秋子さんがいない今がチャンスだ...。
『名雪...待ってろよ...』
俺はさっさと体を洗って風呂からあがった。

『真琴、起きてるか?』
風呂から上がって俺は真琴の部屋にやって来た。
ドアをノックして声をかけるが返事がない。
どうせまたマンガに夢中になってるんだろう。
『...入るぞ』
ドアを開けて中に入ると思ったとうりだった。
『おい、真琴。肉まん食わないか?ふかしすぎたんだ』
そう言ってさっきふかしてきた肉まんを真琴の目の前に差し出す。
パクッ。
真琴は俺の手ごと肉まんにかじりついてくる。
慌てて手を引っ込めたのでなんとか噛まれずに済んだ。
真琴はマンガを見ながら口だけで器用に肉まんを食べている。
そして、しばらくして真琴はそのまま目を閉じて眠ってしまった。
『真琴、睡眠薬入りの肉まんはうまかったか?』
俺は眠っている真琴にそう言うと真琴のそばで丸くなっていたぴろを掴んで
持ってきた袋に放り込んだ。
『さあ、ゲームの時間だ...』
どこかで聞いたような独り言を呟くと俺は名雪の部屋に向かった。

『名雪、俺だ。起きてるか?』
ドアの前で中の名雪に声をかける。
「うん...入って来ていいよ」
名雪の返事を聞いて俺は名雪の部屋に入った。
名雪はベッドの上に座って眠そうに目をこすっている。
「祐一。その袋なんなの?」
名雪が俺の両手に持っているふたつの袋を見て俺に聞いてくる。
俺は答えずに名雪に言う。
『名雪。なんでもするって言ったよな...』
「え?」
『今朝の事許してやる代わりに俺の言う事聞いてくれよ...』
「う、うん...なにをすればいいの?」
『じゃあ俺がいいって言うまで目を閉じててくれ』
「え!?...うん...」
名雪が目を閉じた。俺は袋を床に置いて中からある物を取りだして名雪に近づいていく。
名雪のうしろに回り込み、名雪の両手を腰のうしろに持ってくる。
「ゆ、祐一。何する気なの?」
俺は答えずに名雪の両手首に雑貨屋で買ってきた手錠をはめた。
ガチャッ。
「な、なんなのこれ!?」
名雪がいきなり手錠をかけられた事に驚く。
『手錠さ』
「!?」
『暴れられると面倒だからな...』

「な、なに言ってるの!?早くコレ外してよ〜!」
名雪が騒ぐ。
『うるさいぞ。名雪』
俺は名雪の顔を両手で挟み、名雪の唇を自分の唇で塞ぐ。
「!?ん〜んん〜っ!!」
左手で名雪の頭を抑えつけてキスを続けながら名雪をそのままベッドに押し倒し、
胸を右手で揉みしだく。
...どうやらブラジャーを着けてないみたいだな。
キスをしながら名雪のやわらかい胸を弄ぶ。
名雪が嫌がって暴れるが気にせずに胸を触り続ける。
しばらくしてから名雪の唇から自分の唇を離す。
「う...祐一、やめてよ...こんなの嫌だよ...」
名雪が泣き出した...でも、俺はやめる気はない。
名雪のパジャマを乱暴に横に開く。
ボタンがちぎれ飛び、名雪の胸が露になる。
形のいい胸。かわいいピンク色の乳首。
俺は名雪の露になった胸を弄ぶ。
「いやあぁぁ...やめてぇ...」
名雪が悲鳴を上げるが俺の手は止まらない。
乳首を指で摘みながら円を描くように乳房を揉む。
もう片方の乳首を口に含み舌でころがしたり吸いついたりしてやる。
「う...あぁっ...」
名雪の体から力が抜ける。俺は名雪の胸を吸いながら左手を名雪の下半身に伸ばす。
下着の中に手を入れ名雪の秘唇を触る。
「ひっ...いやあぁ...そんなとこさわらないでぇ...」
名雪の声など構わずに名雪の秘唇を責める。
『おいおい、どんどん溢れてくるぞ』
名雪の秘唇から指を離し、愛液にまみれた指を名雪に見せてやる。
「いやあぁぁぁっ!そんなこと言わないでぇっ!」
名雪があまりの恥ずかしさに泣く。
俺はまた、名雪の下着に手を入れ秘唇を責める。
指の腹で名雪のスリットをこすり、名雪の突起を思いきり摘んでやった。
「うあぁぁぁっ!!」
名雪が失神した...。
俺は名雪の着ている物をすべてはぎ取り裸にした後、大股開きにしてひざを曲げさせて
ふくらはぎと太股を密着させ、商店街で買ってきた子供用のベルトで縛りあげる。
両足ともベルトで縛り付け終わると名雪は完全に身動き出来なくなった。
『くくく、いい眺めだ...』
生まれたままの姿で名雪が俺の目の前で股を開いている。
涙を流して俺の目の前で気を失っている。
『かわいいぞ。名雪...』
俺は名雪の涙をなめ取った...。

「う...」
名雪に意識が戻ったようだ。
「!?」
名雪は自分の姿を見て絶句した。
『名雪、目が覚めたんなら続きをするぞ』
俺はそう言うと袋からバターを取り出す。
「ゆ、祐一なにする気なの!?」
俺は答えずに名雪の股間にバターを塗りたくってやる。
「いやあぁっ!!やめてぇっ!!」
名雪が泣き叫ぶ...いいぞ!もっとかわいい声で泣け!
『名雪、これからお前の大好きな物と遊ばせてやるよ』
俺は袋からぴろを取り出して名雪に見せる。
「ね、ねこさん...?」

『おい、ぴろ。起きろ』
俺はぴろを乱暴に揺さぶって起こす。
「にゃ〜」
ぴろが目を覚ました。名雪の股間にぴろを持っていく。
『ぴろ、えさだぞ。たくさんなめてやれ』
「にゃ〜」
ぴろは名雪の秘所に塗られたバターをぺろぺろとなめだした。
「ひっ!!いやあぁぁぁっ!!」
『名雪。大好きな猫になめられてうれしいだろう』
「ひぃ...うあぁ...いやぁ...うぅ...」
名雪はアレルギーを起こして鼻を真っ赤にして涙をぽろぽろこぼしている。
「う...ひっく...なんで...こんな、ことするの?」
秘唇をぴろになめられ、アレルギーを起こして泣く名雪。
かわいい顔が涙でくしゃくしゃになってる。
『お前がかわいいからさ』
「うぅっ....どういうこと?」
『俺はお前の泣き顔が見たいんだよ!』
俺はぴろを掴み、壁に投げつけるとズボンを脱ぐ。

『名雪、もっともっとかわいい声で泣いてくれ』
俺は名雪に近づき秘唇にペニスを押し当てて一気にねじ込んだ。
ずぷぷぷぷぷぷぷっ、ぷ、ちん。
名雪の処女膜が俺のペニスによって突き破られた。
「いやあぁぁぁっ!いたいいたいいたいいたいいたいぃっ!!」
泣き叫ぶ名雪に乱暴に腰を打ちつけてやる。
ぐちゅぐちゅ。ぱんぱん。
名雪の秘唇をかき回す音と肉と肉がぶつかりあう音だけが部屋に響く。
「いやあ、こんなのいやあ...」
名雪が泣いている...俺のかわいい名雪...。
『いいぞ!もっと泣け!』
「いやあ、いやあ...」
俺は腰の動きを早くする。
『名雪!そろそろ射精(出す)ぞ!!』
「!?だめぇ!胎内(なか)に出さないでぇ!!」
『うっ...』
俺のペニスがぶるぶると震え、俺の欲望を名雪の胎内に一滴残らず吐き出した。
「ひっ!?いやあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
名雪の悲鳴が部屋中にこだまする。

「いやあ...赤ちゃん...出来ちゃうよぉ...」
俺のモノを秘唇にくわえ込んだまま名雪が涙を流して呟く。
『俺は出来ても構わん』
「う...うぅ...」
名雪は泣き続ける。
『仕方ないな...洗ってやるよ』
「...うぅ...洗う...?」
『ああ。こうしてな!』
じょおぉぉぉぉっ。俺は名雪の胎内に勢いよく放尿してやった。
「ひっ!?やめてやめてぇっ!!」
途中で止めることなんか出来るか。
俺はそのまま小便を最後の一滴まで注ぎ込んでやった。
ペニスを引き抜くと精液と小便が名雪の秘唇から流れ出す...。
「いやあ...こんな...おしっこまで...うぅ...」
名雪は泣き続けている...。
俺は泣いてる名雪にキスしてこう言ってやった。
『...名雪、これからもかわいがってやるからな』
名雪は返事をしない...。
ただ、名雪の嗚咽だけが部屋に響いていた...。

俺のかわいい名雪...お前は俺だけのモノだ。
今日から...これからも...ずっと...。

最高の気分だ。俺は名雪を犯したんだ。
かわいいかわいい俺だけの名雪...。
家に帰る時に見た7年ぶりに見た名雪の泣き顔...。
俺は名雪の泣いている顔を見て気づいた。
俺は好きな娘を泣かせて喜ぶ最低の男だってことを。
俺に犯されて涙を流す名雪...。
あのかわいい顔が涙でくしゃくしゃになるのが...。
俺にはたまらなく嬉しいんだ。
『名雪。おやすみ』
俺はベッドの上で股間から俺の精液と小便を垂れ流して泣き続けている名雪を
そのままにして部屋を出た。
ぴろは壁に叩きつけたせいかぴくりとも動かなくなって床に転がっていたが
面倒だからそのままにしておいた。
『朝になったらほどいてやらないとな...。』
俺はそう呟いて自分の部屋に戻った。
今日はいい夢が見られそうだ...。

ちゅん、ちゅん...。
『う...』
朝か...スズメの鳴き声が聞こえる...。
俺はいつの間にか眠ってたのか...。
『ん?』
俺の目の前にパソコンがある...。
『そうか...ネットやってて眠っちまったのか...』
パソコンは電源が入ったままだ。
俺は電源を切って、椅子から立ち上がった...ん?
股間がなんだかぬるぬるする...。
まさか、俺は夢精したのか?
そういえば昨日の夜...ネットを繋いでいろいろなエロサイトを見て回ってたんだ...。
それで面白いHPを見つけて...。
名雪を犯したのは...夢...だったのか...。
『はあ...eternal worldの見すぎだな...』
とにかく今履いてるパンツを洗わなければ。
時間はまだ5:30だ。秋子さんもまだ起きて来ないだろう。
俺はパンツを履き替えてタンパク質のシミの付いたパンツを持って洗面所に向かった。
『早く洗ってしまおう...』
俺は洗面所に着いてすぐパンツを洗い始めた。
こんなとこを秋子さんたちに見られる訳にはいかない。
秋子さんが起きてくる前に洗ってしまわなければ!
じゃぶじゃぶ...。
手が冷たい。でももうすぐ洗い終わる。それまでの辛抱だ。

「祐一さん、今日はいつもより早いですね」
『うわあっ!!』
いつの間にか秋子さんが俺の後ろに立ってる...。
ぜ、全然気配を感じなかった...。
「どうしたんですか?そんなにびっくりしました?」
秋子さんが俺に話しかけてる...ってまずい!
パンツを隠さなくては!俺は濡れたパンツを後ろに隠した。
が...遅かった...。
「あらあら...」
み、見られた...秋子さんはいつもの微笑みで俺を見ている。
『あの、これはその...』
「別に気にしなくてもいいんですよ。祐一さんも男の子ですし」
ぐぁ...とどめ...ですか?
気づかないふりくらいしてくれてもいいでしょう...秋子さん。
はあ...名雪を犯す夢見て夢精したなんて知られたらなんて言われるだろう...。
はやくこの気まずい雰囲気をなんとかせねば。
『あの...秋子さん。この事...』
「祐一さん」
『はい?』
秋子さんが俺の言葉を遮って話しかけてきた。
「名雪でそんな事したんですか?」
『な、なんの事ですか?』
「さっき自分で言ったじゃないですか」
秋子さんはいつもの笑顔で俺に言う。
『ぐぁ...』
また...いつもの癖が出たのか...。
秋子さんはいつもの笑顔のまま俺を見ている...。

「祐一さん。今朝の朝食あのジャムでいいですよね?」
『な、なんでいきなり朝メシの話になるんですか!?』
冗談じゃないぞ...。
「名雪、何て言うかしら」
秋子さんがにこにこ笑いながら俺を脅迫する...。
『なんで、なんで俺なんですか?』
「だって、名雪はイチゴのしか食べてくれませんし」
『だからって...』
「それにもうすぐ賞味期限が切れそうなんですよ」
あれのどこに賞味なんて言葉が当てはまるんですか...。
「食べて...もらえますよね?」
聖母の微笑みが悪魔の微笑みに見えた...。
『.........いただきます』

「うにゅ...おはようございます...」
名雪が起きてきた...。
「!?ゆ、祐一...なんで...ソレ食べてるの!?」
テーブルの上に置かれたあのジャムを見て一瞬で覚醒した名雪が俺に話しかけてくる...。
俺はあのジャムの塗られたトーストを喰っていて答えられない。
「ゆ、祐一...涙、出てるよ...」
「あらあら、そんなに泣くほどおいしいですか」
秋子さんが嬉しそうにトーストを喰い続ける俺に言う...。

...秋子さん。あなたは鬼だ。
こんなモノを...人の食い物ですらないモノを...。
嬉しそうに喰わせるなんて...。
あんた...舌がおかしいよ...。
人に喰わせるモンじゃない...こんなモノ!!
どこをどうしたらこんな毒物が出来るんだ!!

「ゆ、祐一...」
なんだよ、名雪...。
「今の...声に出てたよ...」
『!?』
まさか...俺は秋子さんを慌てて見た。
良かった...聞こえてなかった。いつもの笑顔だ。
「祐一さん」
『はい?』
「あなたの今夜のご飯はこのジャムです。どんぶりいっぱいのジャムにジャムをふり
かけてジャムをおかずにして食べるんです。飲物はこのジャムを入れた紅茶です」
き、聞こえてた...。
『な、なんで...』
「それからお弁当をこれから作ってあげますから持って行って食べてくださいね」
秋子さんはにこにこ笑いながらご飯を電子ジャーからよそい手に持つとにぎり飯を
作り始めた。
「具はこれですよ。全部食べてくださいね」
秋子さんはジャムを具にしてにぎり飯を五個作り、アルミホイルで包んで俺の目の前に
差し出してきた。
「はい。お弁当ですよ」
秋子さんはそう言ってにっこり笑った....。

『うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
俺はその場を逃げ出した。
「祐一!待って!せめて靴くらい...」
もういやだもういやだもういやだもういやだもういやだもういや
だもういやだもういやだもういやだもういやだもういやだもうい
やだもういやだもういやだもういやだもういやだもういやだ!!

どこをどう走ったのかわからない。
靴も履かずに俺は家を飛び出して走り続けた。
どんっ。
「うぐぅ!」
誰かにぶつかった。
俺はそのまま走り去ろうとするが袖を掴まれ走れなかった。
「うぐぅ...ひどいよ〜。祐一君」
あゆが俺の袖を掴んで怒ってる。
そうか...あゆにぶつかったのか...。
「ん?祐一君...どこか痛いの?涙、出てるよ...」
『.........』
「どうしたの?大丈夫?」
『っぐ...うぅ...』
「祐一君?」
『うわあぁぁぁぁぁぁん!!あゆぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!』
俺は...あゆに抱きついて泣き出してしまった...。

どれくらい泣いたんだろう。あゆは膝立ちで抱きついて泣いている俺の頭を
優しく撫でながら俺に問いかけてくる。
「もう...大丈夫?」
『...ああ』
「ほんとにどうしたの?」
『とても...とてもつらいことが...あったんだ...』
「つらいこと?」
『あんな家...もう帰りたくない...』
「どうして?秋子さんと名雪さんが心配してるよ」
『...いやだ...帰りたくない』
「駄目だよ...待っててくれる人がキミにはいるんだから」
『あゆ?』
「ボクね...探し物、見つけたんだ。だから...もういかないといけないんだよ...」
『あゆ...俺を一人にしないでくれ...』
「祐一君は...一人じゃないよ」
『ちがう...俺は一人なんだ。だから、見捨てないで!!』
涙がぼろぼろ流れてくる。なんて情けないんだ...。
あゆは困った顔で俺を見てる...。
「ボクで...良ければ...一緒に居てあげるよ...」
あゆはそう言って俺に微笑んでくれた...。
天使の微笑み...天使は...天使はここに居たんだ...。
『一緒に...居て...くれるのか?』
「うん...」
『ああ...ありがとう...ありがとう』
俺はあゆに抱きついたまま何度もありがとうを繰り返した。
「そろそろ、行こっか。祐一君」
しばらくして、あゆが俺に言う。
『ああ...でも...どこに...?』
「ボク達の...学校...だよ...」
『わかったよ。行こう。あゆ』
俺はあゆと手をつないで歩きだした...。



祐一が家を飛び出してすぐ、わたしは祐一を追いかけた。
でも祐一はものすごい速さで走り去ってしまってわたしは追い付くことも出来ずに
祐一を見失ってしまった。
「祐一...そんなに辛かったの?」
わかる気もするけど...。
...仕方ない。一度家に戻ろう。
もしかしたら帰ってるかもしれない。

...帰ってみても祐一は帰ってきてなかった。
わたしはお母さんに祐一を見失った事を報告した。
お母さんは少し考えてからわたしに言う。
「名雪、祐一って誰なの?」
「お母さん!こんな時にふざけないでよ!」
「ふざけてなんかいないわよ」
お母さんは真剣な顔でわたしに言う。
「お母さん!わたしの従兄弟の祐一だよ!」
「名雪に従兄弟なんていないじゃない」
「そ、そんな...」
「きっと夢を見たのね。ほら、早く学校に行かないと」
そう言って洗い物をしにキッチンに行ってしまった。

どういうことなの?
祐一のことを怒ってるようにも見えないし...。
わたしはとりあえず学校へ行くことにした。
ちゃんと祐一が家に帰ってくるといいけど...。


...祐一は帰ってこなかった。
香里も北川君も、祐一の両親さえも彼の事をあの日から忘れてしまった。
わたし以外全員が...。
あの日、学校に着くと祐一の机がなくなっていた。
香里達までもが祐一の事を忘れていた。
祐一の部屋にあった物も全部なくなっていた。
彼がいた証になる物はすべてなくなってしまった...。
祐一との思い出も、全部わたしの空想だったんだろうか?
でも、空想にしてはリアルすぎる...。
「祐一、いったいどこにいっちゃったの?」
わたしは自分の部屋でけろぴーを抱き締めて呟いた。
そして、14年の月日が過ぎた...。



「おかあさん、ただいまー!」
「おかえり、祐一」
あれから14年。わたしは結婚して男の子を産んだ。
従兄弟の名前をつけた10才の一人息子。
「おかあさん、今日学校でね、おもしろい話聞いたんだ〜」
「どんな?」
「あのね、おかあさんがボクくらいのころ大きい木があった場所あるよね。
あそこにね、ボクくらいの男の子と女の子の幽霊が出るんだって」
「男の子と...女の子?」
「うん。昔そこにあった木から落っこちて死んじゃった女の子の幽霊とその友達の
幽霊なんだって。夕方にそこに行くとその幽霊達の声が聞こえるんだって。
ほんとだったらこわいよね」
「......」
「おかあさん、どうしたの?」
「まさか...ね...」
「祐一。おやつにスコーン作ったからいらっしゃい」
キッチンに居たお母さんが祐一に話しかける。
「は〜い」
祐一がお母さんの所に行く。

「おばあちゃんのジャム塗って食べるとおいしいよ〜」
「まだまだいっぱいあるからね」
祐一はあのジャムをスコーンにたっぷりつけておいしそうに食べてる。
従兄弟の祐一が居なくなった原因のジャム...。
離乳食やおやつにしてお母さんが与え続けたせいか、わたしの子供はアレを平気で
食べられる。
わたしはそんな息子を見て、居なくなった従兄弟を思い出した。
今ごろどこで何をしているんだろうか...。



...ねっ。ここから見る景色は最高でしょ?
...うん。少しこわいけど綺麗な景色だな。
祐一君もやっと高いとこ平気になったねっ。
だって、高いとこ平気にならないとあゆといられないじゃん。
あはは、うれしいよお。
なあ、あゆ。
なあに?
ずっと...一緒だよな?
うん!ずっと...一緒だよ。
ずっと...だぞ。
うん、えいえんにね...。
えいえん?
そう...えいえん...。
「えいえんはあるよ」
「ここにあるよっ」
...どこかで聞いたぞ。そのセリフ。
うぐぅ...そうだっけ?
ぷっ、あははははははははははははは。
ふふっ、あはははははははははははは。


「ず〜っと一緒、だよっ」


                    ...おわり、だよ



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